幸せを祈ることしかできないけれど

 

 

2024.1.23  

永瀬廉さん25歳のお誕生日おめでとうございます。

 

 

 

24歳の1年間どうだったかな。楽しかったかな。

 

 

5人のKing & Princeとしてのラストスパートから始まったれんくんの24歳。

同時に1月からの初の本格恋愛ドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』。当日には現場でお祝いされていて可愛がられているのを感じました。

続けて4月からの初の警察官役での出演ドラマ『ラストマン  ー全部の捜査官ー』。愉快な大御所おじさんたちをめろめろにしていて新たなご縁もできて、それもこれも全部れんくんの人柄によるものだなと感心しました。

その間に初の声優に挑戦した『映画ドラえもん ー空飛ぶ理想郷ー』。もともと声が素晴らしいと褒められていたけど、感情の込め方や息の吐き方に加えイケボすぎて何回も見に行ったなあ、、ドラえもんの現場でもお誕生日お祝いされていて、国民的アニメキャラと共演するって規模が大きくて着々とステップアップしていく姿が誇らしかったです。

 

 

ついに迎えた5月23日。

King & Prince デビュー5周年、そして2人体制のスタート。

ファンの不安を吹き飛ばすように新シングル発売、ファンミーティング開催、冠番組開始の発表で逆にその供給の多さに圧倒されました。

『なにもの』から始まった2人でのKing & Prince。シンデレラガールと並ぶ名曲で、この曲の安心感と信頼度に何度も救われてきました。

 

そして7月2日、King & Princeとうちあわせ。

初めて2人でファンの前に立ってくれた日。現地にいたわたしは遠くの席からだったけど白と黄色のペンライトの海の中、時折2人で目を合わせて微笑むその姿勢に、King & Princeという看板を守ってステージに立ち続ける覚悟を目の当たりにしました。

Lovin' youのイントロが流れたあの瞬間、ああこの人たちは過去も思いも全部背負っていくんだなと、弱冠24歳の若者にもかかわらずその強さにじんわり涙が滲んだのを覚えています。

 

 

そして始まった全国ツアー、ピース。

飾らない等身大のKing & Princeのあたたかくて優しい雰囲気と、ずっと変わらないきらきらしたオーラを存分に浴びました。

最後の挨拶で何度もファンを安心させたいと言ってくれて、私たち以上に悩み苦しんだ2人がここまで思いやってくれること、ファンとしてこんなに嬉しいことはありません。

キントレをはじめバラエティーではれんくんが普通の男の子であることを感じながらも、ライブでステージに立った時の輝きと煌めきを見るたびに、アイドルになるべくしてなった人なんだと再認識しました。

 

 

ツアーと並行して公開された映画『法廷遊戯』。

撮影自体は2022年だったものの、番宣も舞台挨拶も多忙を極めてちょっとだけ心配もしていました。でもれんくんのカラッとした健やかさにその心配なんかよりも、れんくんが頑張ってくれたそのコンテンツをめいっぱい楽しむことがファンにとっても幸せなことだなと改めて気づき、相変わらず『すこけん』を地で行く人でした。

 

 

事務所や世の中が慌ただしく変わっていく中、King & Princeや永瀬廉という存在にまったく不安を感じなかったのは、普段から言葉にして想いを伝えてくれていて、さらにそれと行動が一致しているからでした。ファンからアイドルへの思いは一方通行のはずなのに、そう感じさせないプロの振る舞いに再度惚れ直しました。

 

 

こんなに愛されていていいのかと思うほど、れんくんは私たちファンを大切にしてくれています。そんなれんくんにどんなに感謝を尽くしても私の存在が認識される訳もなく、ただ遠くで勝手に幸せを祈ることしかできないけれど、今日もれんくんが笑顔で生きてくれていたならそれだけで幸せです。

 

 

 

 

 

永瀬廉くん、改めて25歳のお誕生日おめでとうございます。今年も素敵な一年になりますように。

 

                                                             2024.1.23

 

 

映画 法廷遊戯

 

 

2023年11月10日 映画 法廷遊戯 公開

主演  永瀬廉(King & Prince)

 

 

 

私の地域での公開が終わってしまったため、この映画の感想を独り言として書き留めておこうと思う。これは私の感想と、他者の考察を見た上で再度考えた考察である。

 

 

 

馨が仕組んだ最後のゲーム、それは自分の父を殺した清義と美鈴への報復だ。

馨が研究していた理論「目には目を歯には歯を。」

自分の目を奪った相手を目の前にすると怒りで殺したくなるが、それを目を奪うだけで許す。同害報復とは寛容の理論である。

 

清義から美鈴への報復

美鈴の罪は虚偽告訴によって、馨の世界のすべてだった父親を奪ったこと。

 

まず清義と美鈴の関係性から述べよう。2人はおそらく恋人同士ではない。2人の交際を決定づけるシーンはないからだ。しかし間違いなく通常の男女関係とはまったく違う何かで結ばれていることは明らかである。

ネグレクトを受けていたであろう美鈴にとって、初対面の清義からもらったドロップは初めて感じた無償の愛ではなかろうか。施設の芝生に寝転ぶ美鈴を迎えに来た清義がドロップをあげる回想シーン、拘置所に横たわる美鈴が思い出すのはいつも清義の愛だった。

美鈴は施設に入ってからも施設長に性的虐待を受けていた。清義は美鈴を守るため施設長をナイフで刺し、殺人未遂事件の犯人となる。美鈴はその行動を清義の愛だと感じ、清義を正義のヒーローだと信じて疑わない。そして清義の罪は美鈴の虚偽告白により軽くなる。この時点で2人はお互いに守り守られたということになり、一言で言えば共依存的な関係性がより深くなる。

2人は罪をかばい合って生きてきたのだ。

 

ただお互いがお互いに向ける感情が同じものではないことを明らかにしておきたい。美鈴は清義を神格化し、その一方で清義は美鈴を単に守らなければならない存在と捉えていたように見える。特にロースクールへと進学してからその違いが明白だ。

施設時代には2人の世界だったものが、進学後他者と毎日触れ合う家に住み、大学でも大勢からセイギと声をかけられる清義に対し、孤独に一人で暮らし、大学内に友達がいない美鈴。

清義はここで美鈴以外の世界を知り、美鈴はますます清義に依存していく。

 

美鈴は己と清義の罪を知ってからもなお清義を正義と疑わなかった。それが歪んだ正義であることにも気づかずに。そして清義が自分のために罪を犯すことを自分への愛情だと感じていた美鈴にとって、清義が自身の罪を認めることはその愛を否定することになる。

美鈴の世界の全てだった清義を奪うことが馨にとってなによりの報復だったのだろう。

 

 

・馨から清義への報復

清義は3人のなかでもっとも単純に正義を生きる人だと考える。「知識を身につけなさい」の言葉を素直に受け止め弁護士を目指したことも、自分の犯した罪に気づいて自白してそれを償おうとすることも全て正義を歪曲せず受け入れた証拠だ。

馨は清義の正義を心から信じていた。だからこそ「保険」という言葉を使ったのだろう。馨の遺骨が納められた墓に父親の遺骨がないことに気づくことも、実際の父親の墓に行くことも、そこで日記を見つけることも、それを読んで罪と向き合うこともすべてわかっていた。

正義に生きる清義が己の罪を自覚して向き合うことがなによりの苦痛であることもすべて予想していたことからの報復である。改めて馨のシナリオに驚かされ、恐怖すら覚える。

つまり馨の清義に対する報復は、父に罪を着せた清義に罪を自覚させることだった。

 

 

 

・清義と馨の関係性

馨は清義の人間性に惹かれたのだろう。清義の飲み物を勝手に飲んだり、まるで恋人のじゃれ合いのように肩を組んでかわいらしい言い合いをしたり、追いかけっこをしたり、、

 

その様子をじっと伺う美鈴のシーンがあるが、美鈴からすれば自分へ無償の愛を与えてくれる清義が馨にとられたようで面白くなさそうだ。馨はそれにも気づいていて美鈴への報復を考えたようにも思える。

 

 

 

 

 

 

 

本編とはあまり関係がないが、法学部生として最も興味深いのが無罪の定義だ。授業中に無罪をどう定義するか聞かれた馨はこう答える。

 

 

「検察が立証に失敗した結果にすぎません」

 

 

最初のこのシーンにはなるほどとしか思わなかったが、判決が下される日、美鈴が法廷へと向かう様子を見てぞっとした。

馨のシナリオでは美鈴は馨の急所を避けて刺すことになっていた。しかし美鈴は殺意を持って馨を刺し殺した。

殺意を持って人を死に至らしめると刑法199条の殺人罪が適用される。検察は美鈴の殺意を立証することが出来なかったのだ。馨の父親の事件で司法は真実を見抜けずに自死まで追い詰めたにもかかわらず、本件でも検察は美鈴の罪を立証できず事実とは異なる判決を下した。

法律を学ぶ者として、この無罪の定義と司法の信頼性について考えていかねばならないと感じた。もっとも、美鈴がシナリオ通りに演じようが演じまいが馨の予想していた結末になっていたのは馨の圧勝と言うべきであろう。

 

 

 

 

 

・主題歌「愛し生きること」(King & Prince)

 

 

「僕たちはまたここからはじめていく。」

 

 

このセリフで閉じられた映画のあとにエンドロールとともにイントロが始まる。

重くて、苦しくて、悲しくて見る人によってはバッドエンドにもなりうる本作にとってこの主題歌は希望であり救いだ。

 

清義を演じた永瀬廉が歌う「生きていくこと」のロングトーンに、大切な友人の馨を失い、美鈴への愛情だったはずの行為を暴力だと認め、罪と向き合いながら生きていく清義の覚悟が現れている。

 

今日もどこかで清義が罪と向き合い、新しく人生を歩み始めているのだろう。